国連連開発計画(UNDP)駐日代表事務所
ニュースレター3号(2012年1月31日発刊) 

UNDP駐日代表事務所が定期的に発刊するニュースレターです。世界の開発現場でのUNDPの活動、日本政府の資金が投入されたUNDPの開発プロジェクト、日本人職員の活躍ぶりなどを紹介していきます。今月号はUNDPの環境・エネルギー分野での取り組みを特集しています。

UNDP駐日代表事務所 臨時駐日代表の丹羽敏之から新年のごあいさつ

UNDP駐日代表事務所 臨時駐日代表の丹羽です。この度、新しい年を迎えて最初のニュースレターを皆様にお届けできることを大変嬉しく思います。昨年発生した東日本大震災は、未曽有の被害をもたらしましたが、大変厳しい状況にあっても忍耐強く試練に立ち向かう人々の姿は、世界の人々から称賛を受けました。また震災直後から世界各地から寄せられた支援は、日本が長年かけて培ってきた世界との絆を実感させてくれました。日本政府は今年、こうした自然災害に関する国際会議する予定ですが、UNDPは世界の経験を日本に伝え、また日本の経験から世界が学べるように、積極的に協力してまいります(続きは こちら から)。


第3回UNDP職員リレーエッセイ「開発現場から」

UNDP本部政策局環境エネルギー部 隈元美穂子さん

UNDP本部政策局環境エネルギー部の隈元です。2001年から2012年の現在まで、UNDPで勤務をしております。最初の2年はハノイに在住し、UNDPのベトナム国事務所の環境ユニットのプログラムオフィサーとして、エネルギー、気候変動、オゾン層破壊物質、森林保存、有機性化学物質管理といった、様々な環境問題のプロジェクトを担当しました。2003年からはニューヨークにあるUNDP本部の政策局に勤務し、主に気候変動の適応の仕事に従事しています。2011年には3か月太平洋のサモアに出向し、UNDPサモア事務所の環境・災害ユニット長として勤務しました(続きはこちらから)。

 
UNDPヘレンクラーク総裁メッセージ
持続可能なエネルギーへのアクセスはアフリカの開発に不可欠

エネルギーへのアクセスが欠如している人々のうち約45%はサハラ以南アフリカに住んでおり、この地域の人口の69%、5億8500万人にあたります。この地域に住む78%にあたる6億5000万人は、調理と暖房に昔ながらのバイオマス燃料を利用しています。エネルギーの必要性は、単に家庭で利用できる電気量があるというレベルをはるかに上回っています。多くの人々が天水利用の農業で生計を立てているアフリカでは、灌漑や食料生産や加工のためにもエネルギーアクセスの拡大が極めて重要です。エネルギーへのアクセス拡大は、農業の生産性や農村所得を向上させ、アフリカ大陸で農業従業者の大半を占める女性をエンパワーメントすることができます(続きはこちらから)。

UNDPの環境・エネルギー分野での取り組み

国連は2012年を「すべての人のための持続可能エネルギーの国際年(International Year of Sustainable Energy for All)」と定め、持続可能な開発、ミレニアム開発目標(MDGs)達成のためにはエネルギーアクセスが重要な鍵になると提唱します。2012年は世界のリーダーがブラジルのリオデジャネイロに集まり、地球の未来を守り、すべての世代が健康的な生活を送るために世界がどのような行動を取るべきか協議する「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」も開催されます。現在、途上国177か国で開発支援をするUNDPは4つの重点活動分野の1つに「環境と持続可能な開発」を掲げています。貧困と環境・エネルギー問題には密接な関わり合いがあるためです。UNDPが「環境」や「環境に優しいエネルギー普及」を考慮に入れた開発を進める中で特に力を入れているのは以下の7項目です(続きはこちらから)。


UNDPの活動事例 ラオス:村の住民による水力発電建設プロジェクト

ラオス北部の山あいの村に暮らすキュープクさんは、自宅のカラーテレビで夕方のニュース番組を見ています。部屋の向こうでは2人の娘が電灯をつけて勉強を続けています。彼の村では、発電能力7.5キロワットの水力発電施設が最近導入されるまで、このような光景は想像もできませんでした。今ではキュープクさん一家を含むモン族コミュニティの290人が電気を利用しています。キュープクさんは言います。「私の娘たちは水力発電のおかげで夜も勉強できるようになりました」(続きは こちら から)。

 
(株)良品計画がエクアドル・ヤスニITT信託基金へ20万ドルの拠出


UNDPがエクアドル政府の委託を受けて管理しているヤスニITT信託基金に対し、「無印良品」を展開する(株)良品計画が日本企業としては初めて20万ドルの資金拠出を表明したのを受け、2011年12月27日、東京都港区のエクアドル大使館で調印式が行われました。調印式には、エクアドル大使館のレオナルド・カリオン特命全権大使閣下、(株)良品計画の金井政明代表取締役社長、UNDP駐日代表事務所の八木浩治代表代理が出席しました(続きはこちらから)。

 
UNDP/JICA連携研修と公開シンポジウム:REDD+と社会配慮、ジェンダー

2011年12月13日から16日まで、UNDP/JICA連携研修「REDD+ (Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation) と社会配慮、ジェンダー」と公開シンポジウム「UN-REDDプログラム及びJICAの森林保全と社会配慮・ジェンダーに関する取り組み」が開催されました。同研修・シンポジウムは、長年にわたって継続されてきたジェンダー分野におけるUNDP/JICA連携の一環で、2010年12月に開催されたUNDP/JICA連携研修「気候変動とジェンダー(初級編)」での成果をうけて実施されたものです(続きはこちらから)。

国連ボランティア計画とUN-REDDとの関わり

UN-REDDプログラムとは2008年よりUNDP、国連食糧農業機関(FAO)、国連環境計画(UNEP)が共同で実施している「途上国における森林減少・劣化による二酸化炭素排出の削減に関する取り組み」で、REDD+(レッドプラス:国連気候変動枠組み条約の下で決定した、森林減少・劣化による二酸化炭素排出の削減だけにではなく、森林保全を図る活動にも焦点が当てられたメカニズム)に関する活動を進めています(続きは こちら から)。

紺野美沙子UNDP親善大使の東北視察報告(2011年10月20、21日)

紺野美沙子UNDP親善大使が2011年10月20、21日に東日本大震災で被災した宮城県仙台市、石巻市、南三陸町、七ヶ浜町を訪問し、復興に取り組む被災者や支援団体と意見交換をしました。10月20日は、七ヶ浜町で海苔の養殖業を営む「星のり店」を訪問し、震災当時の様子と復興状況についてお話を伺いました。星のり店は昭和40年の創業以来、家族経営で、完熟のりを国内外に出荷していましたが、2011年3月11日の震災で海上の養殖設備(のり棚)が全壊し、海岸近くでの作業車や保有舟の多くが流出したため、事業の継続ができなくなりました(続きはこちらから)。


公開シンポジウム「お互い様だよ!国際協力」

2011年12月22日(木)、UNDPは国連ボランティア計画(UNV)とともに、名古屋国際センターにおいて、公開シンポジウム「お互い様だよ!国際協力」を開催しました。このシンポジウムは、12月5日の国連総会で発表された国連初の「世界ボランティア白書」を紹介し、途上国の開発課題解決に地方政府・市民・ボランティアが果たす役割や、震災後の国際協力について考える場として開催されました。愛知県出身で、元外務副大臣の伴野豊衆議院議員によるご挨拶の後、UNVによる「世界ボランティア白書」の発表、紺野美沙子UNDP親善大使による基調講演に続き、日本政府、名古屋市、市民社会、若者、UNDPの代表が参加して、パネルディスカッションが行われました(続きは こちら から)。

UNDP、JICAとの連携ロジェクト「パブリックビューイングin Africa」(Dream Goal 2010)でソニーが「コーポレーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞

2010FIFA ワールドカップ大会(W杯)の際に、UNDP、国際協力機構(JICA)と連携してアフリカで「パブリックビューイングin  Africa」(Dream Goal 2010)を実施したソニーが、南アフリカ・ケープタウンで開催された「2011ビヨンド・スポーツ賞(the Beyond Sports Awards 2011)」授賞式で、「コーポレーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。W杯中のパブリック・ビューイングの功績が評価されたことによる受賞です(続きは こちら から)。